近くまで来たついでに

上野で途中下車して「フィレンツェ−芸術都市の誕生展」を見てきた。美術館に足を運んだのは、今年の春先にやっていた「古代ローマ彫刻展」以来。

まず一番印象に残ったのが、紅と黒のコントラスト。特に紅は絵画の中で濃淡様々に多用されていて、目の裏に焼きつきそうなぐらい。中でも大天使ラファエルの翼に入っていた紅が、自己主張が激しくて印象的でした。

数々の絵画や彫像、写本の美しさはいうまでもありませんが*1、ここは王道から外れた品を取り上げると*2、「建築の書」と「ディヴァイダー」が面白かった。「建築の書」は建築論執筆の準備草稿として描かれた、素描や覚書が多数含まれた本。建築美術などのラフスケッチからは、美麗な絵画に勝るとも劣らないリアリティを感じます。当時の建築家たちの仕事の過程を生で目にしているかのようです。「ディヴァイダー」は1mくらいある大きなコンパスで、見た瞬間「デカくてカッケー!」と物欲回路を刺激されましたが、当然のことながらお土産コーナーでは売ってませんでした。

あと付け加えるとするなら、受験生にはおなじみアヴィケンナの「医学典範」の写本ですかね。受験のときは単語の羅列の一部として覚えただけの書物が、しかも本物が突然目の前に現れた時は思わず感動。

*1:私の少ない語彙ではとても説明できませんが、本当にすばらしかったです。

*2:王道の作品を取り上げても、それこそ月並みなことしかいえないんでw。私は世界史は好きですが詳しくはないです。